わがやの奮闘記エピソード006

私にできる社会貢献

子育ても一段落して

私にできる社会貢献という訳でもなかったのですが、実子が他県の大学への進学を目指して勉強しているし(ちょこっと寂しくなるな)、ならと里親になろうかと思い立ったのです。

幸いなことに実子は賛成、母も「何かあったらアタシがチカラになってやる」と頼もしいし。

研修を受けて資格取得し、やったねと思っていたら、即委託の打診、これってどさくさ紛れって言うんじゃね?

あれよあれよと言う間に委託ーッ!でも結果オーライ。

児童相談所ですれ違った可愛い女子(高1)がそうだった。あれーッ「こおこおせい!」悪いけど私のイメージは小中生、来てくれたら、海に山に博物館に犬の散歩一緒に行きたいな、寝る前に絵本タイムはできるかなと思いを巡らせていたのに。しかもボーイッシュだった私の高校時代と違ってフェミニン!頭の中真っ白。

そこへ児童相談所職員の悪魔(失礼)の囁き「もう高校生だし下宿感覚でいいっすよ」。そか、引き受けちゃえ。互いの呼称は、F 子、私は「けいママ」。

F子は結構自立してるし、手がかからない。かからな過ぎて逆に心配。送迎に関してもちゃんと連絡をこまめにしてくれる。PTA 活動もない。本当に下宿という感じ。

これが現実だ~!

思い描いていた里子との生活は全滅。虫も動物も苦手で、「ワンコに餌やっといて~」も「ムリ~」。偏食については本人曰くなんでも食べるよ~が、魚介類キノコ類全滅、ウィンナーはウィニー系(香薫はダメ)。お弁当はおにぎりとおかずというスタイル。通学時間もかかり部活動イノチなので生活するだけで精一杯。部屋の片づけはできないとF 子本人も言っていたが、想像以上だった。

F子と私は全く正反対なので、今までの人生でしたことがないことを楽しめる。スタバの売り切れ続出の新作を探す旅。夕食を食べながらの楽しみ、韓流ドラマ鑑賞。バレンタインデーは大騒ぎ。

土地勘のないF子。帰りの電車で疲れて寝過ごし、ラインでF子「どうしよう」。私「戻って」。言われた通り乗ってきた電車に戻り更に遠くへいくF子。あれ?来ないなと駅で待っていたら、F子「どんどん暗くなってく……」と。動いたらかえって危険と判断。私「降りた駅名教えて。迎えに行く」と。更に約30分かけて迎えに行った冒険。周囲に明かりもなく無人駅に一人はさぞ怖かっただろう。私も気を揉んだよ。

まあ、そのかいあってか東京ディズニーランドまでひとりで行けるくらい逞たくましくなったし、『秒速5センチメートル』聖地巡礼を果たしたし。塞さいおう翁が馬だ。

うまく行かないことも……

そうこうしているうちに児童相談所からの更なる依頼。「実は、弟もいるんですがぁ」。F子は「えー!問題児だよ、うまくいかないよ」と反対。私は姉弟一緒の生活をさせてあげたいと思った。呼称は「弟くん」に決めた。

弟くん降臨、引きこもっているわけではないが、私と顔を合わせない。食事も用意してあるものをいつの間にか食べていてゲーム中心で、まるでゲームの中に逃げてるよう。幸いF子と弟くんの関係は良好。

お弁当は毎日用意し、テーブルに置いておいたら開けてなかったので傷まないように冷蔵庫に入れるようになり、その頃から私からの一方的な筆談と児童相談所職員から伝言をしてもらった、冷凍庫にある冷凍食品も食べてとか、弟くんの体調が心配だった。

弟くんは高校へ行くという条件だったが、結局最後まで自力では行けなかった。ほとんど毎朝児童相談所職員が迎えに来たり担任の先生が訪問してくれたが、出席日数と単位が足りなくなってしまった。

我家に居ることが弟くんにとって良いのだろうか?私も対処のしようがなく、手立てがもうない。結果として弟くんは措置解除。

研修会で学んだ『オットセイ』とか、ほめトレのスキルを持っていて実践できていれば、もしかしたら……という思いです。

F子は、「やっぱりね」と納得。周りの大人の努力は見てたので。F子と弟くんの関係は良好なので、それでいい、よかったと伝えた。

希望があるって嬉しい

困り事は、私が体調を崩すと各方面で支障が出るので、自分の体調管理のために夜のご褒美ビールがお預けになる。みんなそうかもしれないが、悩みが尽きない。干渉しないしF子も忙しかったりと、話す機会も限られている中、どう声がけするか、(あの時ああいえばよかった)とか悩む。F子が「自分からやりたい」と言ったことには可能な限り応えたいが甘やかしとの境目に悩む。いつか社会へ出ていく、その時に必要なことは何かということに悩む。しっかり食べる子なので、朝食、お弁当、夕飯の献立(母のサポート多大)。

F子の高校卒業後の進路は専門学校。専門学校を卒業して職を得て自立するまでは我家で一緒に生活することをF子と二人で決めました。嬉しい。

母のサポートと実子の頑張りとF子の頑張りに、私も頑張るぞと支えられてます。 (けいママ)

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